「キラ!」 「キラくん!!」 「キラぁぁぁ!!!」
散っていくモビルスーツ。
カガリの眼に映ったのは、無惨にも敵モビルスーツによって粉々にされた、フリーダムだった。
「そんな…そんなはず……。キラ…。」
流れ出す涙を止めることができない。カガリは、いつの間にか発信していたストライクルージュで、必死に彼を捜していた。
たった一人の家族。もう一人の、自分。
一方AAでは、ミネルバによって損傷した部分あるにしても、先の戦闘で一部を爆破して逃げ切ることができた。しかし、皆その表情は暗い。翼が、消されてしまったのだ。
その時キラは、偶然なのか必然なのか、エマージェンシーのボタンを押し、フリーダムの核爆発を防いでいた。
もうろうとする意識の中で、彼は、夢を見ていた。
なつかしい夢。赤い……。
そこで、彼の意識は、ぷつり、と音を立てて消えた。誰かが自分に向かって叫んでいる声を、彼は最後に聞いた気がした。
コックピットが、ある。あれは…キラだ!
カガリは無我夢中でそれを抱きしめる。
よかった。彼は、生きていた。
絶望と不安から逃れ、安心したカガリはまた、涙がこぼれた。
「大丈夫かしら…」
「私が見たときには、もう意識が…。」
「そのうち、目を覚ますでしょう。」
誰、かが、話してる…。誰…?うるさい……。ここ、は…?
「もう少ししてからでも…。…!!キラ…くん?」
「っっキラ!」 「無事でよかった!」
まぶしすぎる蛍光と、なにかたくさんの人たちが自分に向かって話しかける声の中で、うっすらとその瞼を開けた。
「キラくん、大丈夫?あれから、意識を失ったのよ?わかる?」
髪が少し長くてブラウン色の女性が話しかけてくる。彼は、その体をゆっくりと起こした。
「あぁ、こらバカ!まだ寝てろって!!」
金髪で、意志の強そうな、同年代くらいの女の子が、たどたどしく起きあがる僕の背中を支えた。
少し、僕と似ているような………。でも………。
次の瞬間、彼の一言がその場を瞬時にして凍らせた。
「キミハ…ダレ?」
闇が、広がる。
小分けにしてみました〜
(もとから小分けにする予定が…忘れてました。。)