【双子ちゃんがゆく】
外を飛び出すと、眩しい太陽が二人を照りつけます。
真っ青な空には雲一つありません。
今日は快晴です。
「んん〜き、も、ちい〜!」
金髪の女の子が、大きく伸びをします。
耳の少し後ろから出でいるおさげがよく似合う、かわいい女の子です。
「あ〜!僕もっ」
女の子の隣で同じく伸びを始めた男の子の、まぶかに被った麦わら帽子から茶色い髪がちらりと見えました。
そっくりそのまま同じ格好をしたこの子達、実は近所でも有名な双子なのです。
いつでもどこでも一緒にいるこの姉弟は、けんかもするけどとっても仲良し。
「カガリ、カガリ、今日はどこに行く?」
カガリと呼ばれた女の子は、くりくりしたお目々をぱっちり開けて答えます。
「キラの行きたいところがいい!」
キラと呼ばれた男の子は、小さいお手々で女の子の腕をしっかり掴んで答えます。
「じゃぁ、公園!」
ふたり分のひよこ靴がピッピと鳴いて、キラとカガリは目的地までちょこちょこ走りました。
途中、道行く人々に声をかけられます。
「あら、今日もお出かけかい?」「「うんっ」」
「いつも仲良しだねぇ。」「「うんっ」」
「どこへ行くの?いつものところ?」「「うんっ!」」
「見て!『双子ちゃん』だよっ」「わ〜ホントだ〜双子ちゃ〜ん!」「かわいい〜!」
キラとカガリ。二人合わせて『双子ちゃん』。
この呼び名は、いつしか近所中に広まり、すっかり定着してしまいました。
そんな双子ちゃん。
今日は珍しい人達に出会ったようです。
「見て、見てカガリっ」「なぁに?」
キラの指さす方には、カガリも見たことのない人達がいました。
どうやら、つい最近引っ越してきたようです。
好奇心旺盛な双子ちゃんは、迷わず彼らに向かって歩き始めました。
「「こんにちわっっ!」」「うわっ」「まぁ」
突然のあいさつに驚いた人達は、どうやら若い新婚さんのようです。
その新婚さんを見て、双子ちゃんは目をキラキラと輝かせました。
だって二人とも、とっても綺麗な目と髪をしているのです。
男の人は精悍な顔つきに似合う蒼い髪に翡翠の瞳を。
女の人はというと、ふわっと漂う甘い香りとともに桃の髪を。空と同じ瞳をしています。
振り向いた新婚さんにしばらく見とれていた双子ちゃん。
手をのばして、その綺麗な髪に触ろうと、必死です。
「双子…?」「みたいですわね。」
どうやら新婚さんも双子ちゃんに興味を持ったようです。
蒼い髪の男性はカガリを、桃の髪の女性はキラを抱き上げました。
「「遊ぼぉ!!」」
今日も双子ちゃんの元気な声が近所に響きます。
新婚さん…苦笑
なんか『新婚さんいらっしゃい』みたいなノリだなぁ;;
もっといい表現はないものか。。