目を覚ますと、そこは。
【金襴之契】
目を覚ますとそこは、いつもの見慣れた景色。自分の部屋。
「リオーおはよぉー!」
いつもの聞き慣れた声。
俺と小さい頃からずっと一緒にいる、クレアの声だ。
「おはよ・・・・って、またそれすんの?俺が?」
起きたところでまだ半分も覚醒していない頭だったが、クレアの満面の笑みを見ると途端に眠気は覚めてしまった。
クレアの両手にはあるのは、髪をくくるためのゴムとくし。
「だって・・・私、自分でくくれないし・・。リオの方がお父さんより上手なんだもーん。」
なんだもーん。って言われても・・
以前、髪を伸ばしっぱなしだったクレアに俺が、『見てて暑いからくくってやる』って言ったきり。
それ以来クレアはこうして毎朝俺の部屋にやって来る。
なぜか日課となってしまった。
「ラクスさんは?」
俺はため息混じりで言う。
「お母さん寝てたし、起こすのかわいそうと思って。」
俺はいいのかよ。
って言おうとしたけど、やめた。
一度言ったら聞かないことも充分知ってるから。
こういうところはほんと、ラクスさんに似てる。
顔は見たまんまキラさんに似てるし・・・・
「クレア、今日学校は?こんなにゆっくりしてていいのかよ。」
「今日は自主休講〜♪」「は?」
「リオが休むんなら私も休むのっ!」
「だったら髪くくんなくてもいいじゃん・・・。」
なんて文句を言いながらだけど、こうしてクレアと一緒にいる時間は楽しい。
昔から親同士仲が良く、それぞれ結婚しても4人で一つ屋根の下に住んでたこともあったから、俺とクレアは兄妹のように育ってきた。
クレアは、明るくて元気ですぐ泣いて、とても素直な子。
そんなクレアの側にいることがいつの間にか当たり前になっている。
「―お前さ、もし俺がいなくなったらどうすんの?」
それまで髪をくくることだけに集中していた俺も、さすがに毎日ためらいもなく自分の部屋に入ってくる幼馴染を見ていたら、なんだか情けなくなってきた。
―女の子なんだから髪くらい自分でくくれるようにならないとさ。
だけどクレアは返事をしない。
俺は続ける。
「そしたら髪も自分で」「ザフトに行くの?」
言い終えるより先に、クレアが口を開いた。
「えっ・・」
俺が戸惑っていると、クレアは優しく笑って言った。
「じょーだん!冗談だよ!でも・・・」
沈黙になる。
「“でも”、何?」
「ずっと・・・・こんな日が続けばいいのにね・・。」
****
「はい、できたよ。」「ありがとー!いつもごめんね。」
「そう思うなら少しは自分で練習しなさい。」「はぁーい、リオ先生!」
クレアは、右手をピンと挙げて苦笑いしてる。
なんだか急に眠気が襲ってきた。
「俺、まだ眠いし・・・寝るよ。」
俺はそう言ってあくびをした。
「わかった!後で朝ご飯用意しておくね!」
「うん。」
彼女が去ると、部屋は一気に静まり返った。
『ザフトに行くの?』
彼女の声が、こだまする。
もしかしたらクレアは、知っていたのかもしれない。
父さんと母さんが殺されたあの日から、ずっと―
俺は真実を知りたい。
ただ、それだけなんだ。
クレア・・・ごめん・・・・。
目を閉じるとそこは、いつもの見慣れた暗闇だった。
改めて紹介させていただきますっっ
キララクの子クレア♀と、アスカガの子リオ♂ でっすw
名付け親はうららです。素敵な名前ありがとう☆
この二人は書いてて楽しいです(笑
秋の想像(妄想ともいう)では、
クレアは茶髪に紫眼(ふたつくくり)・リオは金髪金眼(髪はたててる)
な感じです(苦笑
今度それでイラ描く予定でーす♪ははは。
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