せんせい・・・ボクはどうしちゃったんだろう・・・
なんだかヘンなかんじがするんだぁ・・・・・・。
first love
「せ・ん・せー!」
やったきょうも1ばんノリ!
ボクたちのせんせいはみんなにすっごく好かれてるから、はやくしないとほかの子たちにとられちゃう。
だけど、きょうも1ばんノリぃ!!
「せんせーせんせー!」
「あ、キラ君だぁ。おっはよう!」
「おっはよう!」
この、“おっはよう”のあいさつは、せんせいが決めたんだ。
あさ、1ばんに出あった人には、“おっはよう”っていわなきゃいけないってせんせいがおしえてくれたんだ!
せんせいは、なぁんでもしってる。
それに、やさしい!
せんせいだぁいすき!!
「あれ?キラ君、今日は一人で来たの?」
「うんっエライ?」
「うん、エライエライ。ぃよーし!そんなキラ君にはこれをあげちゃいましょー!」
わぁーせんせいなにくれるんだろー??
せんせいはポッケにいつもおいしくてあまいのいれてるの、ボクしってるんだ!
「はぁーい、手、出して。」
わくわく。
「はいっ!!」
ぽんっ
と手にのっかってるのは・・・
「アメちゃんだぁっvvv」
やったぁやったぁ
せんせいありがとお!
「みんなには内緒ね。」
「うん!」
この、せんせいの“みんなにナイショ”のポーズをするときはボクもおんなじようにマネをする。
ひとさしユビをね、こうやってシィ〜ッってするみたいにお口のまえにつけるんだ!
「「イッシッシ」」
そんでこうやって笑うんだ!
たのしい、たのしい、あさのじかん。
「それではキラ君、今日もみんなと?」
「なかよくげんきにあそびます!!」
ピシッとせんせいと手をたたいて、せんせいとの“あさのあいさつ”がおわった。
「センセーさよならぁ」
「ばいばいせんせい」
「せんせーまたアシタねーーー!」
きょうも1日がおわった。
みんな、オカアサンに手をひかれてたのしそうにかえっていく。
ボクはこのじかんが大キライ。
大大、だい、だい、大っキライ。
だって、きょうはオカアサンは・・・・・・
「あれ、キラ君。今日はお母さん来ないのかな?じゃぁ今日もあっちでお布団しいて一緒に寝よっか。」
そういってせんせいはボクのうでをひっぱる。
ペチン。
ボクはせんせいの手をはらいのけた。
「っキラ君?!」
「せんせいのバカぁ!大キライ!!」
ごめんなさいごめんなさい。
ほんとうはせんせいのこと、大スキなんだよ。
だけど、ボク、ボク・・。
おうちがいい!
もう、もう・・
こんなのイヤだ!
「きゃぁっ」 「うわぁっ」
ドンッ
ボクがまわりを見ずにはしってたから、ダレかにぶつかっちゃったみたい。
「ごっごめん!ごめんね、だいじょうぶ??」
うつぶせになってるからカオはわかんないけど、スカートはいてるしかみのけながいし、たぶん女の子だ。
「うっ・・」
“う”??
「うわぁぁぁぁぁぁん!!いたぁい、いたいーセンセーうわぁぁん!!」
「えっ・・」
どうしよどうしよー?!!
ないてるの?ないちゃった!!
なかせたの、ボク?!ええどうしよう!!
「ご、ごめんねぇごめんなさいっ!」
なぜだかさっきのせんせいのカオをおもい出す。
せんせい、すごくかなしそうだった・・・。
ぜんぶぜんぶ、ボクのせい。
「とりあえず、こっち、ね?」
ボクはなきやまないこの子をなんとかなだめようとウデをひっぱって、この子をたたせた。
あっ。
さっきはあせってきづかなかったけど、この子のかみのけ、キレーだぁ・・・
ボクのスキな花の色。
「サクラの花とおーんなし色!」
「えっ?」
「あっ・・・」
パッとカオをあげたその子の眼とボクの眼があう。
うわっうわぁ・・!
「お空みたーい!キレー!!」
いいな、いいなぁ。
この子の眼、すっごくあおい。キレイな色ぉ!
「・・・ほんと?」
あれっいつのまにかこの子なきやんでる。
よかったぁ。
「うんっ!」
「・・・アナタの眼も、キレイな紫。」
「ええっ?!」
ポンッ
って音がしたかとおもった。
だってなんかカオあついし!
そうかなぁ?ボクの眼をキレイなんていってくれる人、はじめてだぁ・・・!
「ね、おなまえは?さっきはないちゃってごめんね。」
「うっううん!ううん!いいよ、そんなのっ」
「わたしね、ラクス・クラインっていうの。アナタは?」
「ボクはね、キラ・ヤマトだよ!」
うわぁなんか・・・・・なんだろう、ヘンなかんじ!
ムネがさっきからドキドキドキドキいってる・・。
うるさいなぁ、しずまれっ!
「キラ?」
「うん!ラクスだね!」
「これ、あげる。」
ぽとん
と手にのせられたのは、ボクのだぁいすきなアメ玉。
「え・・くれるの?」
「うん!キラ、スキだよね?」
「え、うんっうんスキだよ!!」
え〜なんでしってるんだろう?
ラクスってすごい!
「あ。まってボクも・・・・」
ごそごそ。
あった!
ポッケに、きょうのあさせんせいにもらったアメ玉がのこってた。
「これ、あげる〜!」
ぽとん。
こんどはボクがラクスの手にアメ玉をのせてあげる。
「なかなおりのしるし〜!」
えへへ。
なんだかすっごくたのしいな。
ラクスもわらってくれてるし。
よかった、うれしい!
「ラクスちゃぁ〜ん・・・」
パタパタパタ・・・
とおくからせんせいがはしってきた。
「さっきラクスちゃんの声がしたからどうしたのかなって・・・あれっキラ君?ぅわっ」
ぎゅうぅぅぅぅ。
ボクはせんせいがきたとどうじに、せんせいの足におもいきりだきついた。
「あれあれ?キラ君はどうしちゃったのかな?」
「・・んなさ・・ぃ・・・」
「ん?」
「センセイ。」
「はいはいっ何?ラクスちゃん。」
「わたし、パパがきたからかえります。」
「そう、また明日ね、さようなら!」
「さようなら。」
え?
今、“さようなら”って・・・
「ラクス?!」
はっとしてカオをあげたときには、もうラクスはそこにはいなかった。
「ボク・・・」
“ばいばい”ってゆってないよ・・・
「ぃようーし!」
「うわぁっ!!」
とつぜん、せんせいがボクをだっこしてきた。
「じゃ、もう寝よっか。」
「・・・はぁい。」
せんせい、わらってる。
ボク、せんせいのわらったカオだいすき。
でも、ラクスのわらったカオのほうがもっとスキ。
なんだか、ムネのあたりがあったかくなるんだ。
「ねぇ、せんせい?」
「ん?」
せんせいはいま、ボクのワガママでえほんをよんでくれてる。
ボクはたまにこうやって1人でのこったりするから、そんなときはせんせいがボクといっしょにねてくれる。
「きょう、おともだち、できたぁ・・・」
「そう、よかったね。」
「うん・・・・・・・」
あぁ、ねむたい・・・
おふとんあったかい・・・
せんせいだいすき・・・
ラクス・・・
あしたも、あえるかなぁ・・・・
あえると、いいな・・・・・・
おやすみ、ラクス・・・
おやすみ、みんな・・・
おやすみなさい・・・―――
2007/3/3 toki
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